
毎年、この時期には千の祈りにて初盆展示相談会を開催しております。今年、初盆をお迎えになるお客様へお盆を迎える準備のお手伝いをいたしております。本日は、ここ那須塩原市における初盆のお話しをさせていただきます。まず、初盆とは、亡くなった方が四十九日を迎え、仏となって初めて迎えるお盆のことを言います。毎年、お盆にはご先祖様がお家に帰ってきますが、初めて帰ってくることに無事を祈り、家までの目印の提灯や悪い霊に邪魔されないよう結界の竹飾りを用意してお迎えするのが、那須塩原市のお迎えの仕方です。8月に入り、1日から飾り付けを行い、庭先などに灯りを付けます。13日にお墓へご先祖様をお迎えに行き、16日にお墓へ送り出しに行きます。ご親戚様や一般の方がお家へ焼香に来るのは、地域によって差もありますが、だいたい14日の午前中からになります。那須塩原市では、玄関先に家の家紋を記した門提灯を下げ、お部屋の中に竹で結界を模った竹飾りを作り、帰ってくるご先祖様の戒名を記した提灯を下げ、お迎えします。地域によっては、同じ那須塩原市でも、庭先に【高竿灯篭(たかんとうろう)】と言った、約7mほどの竹に帰ってくるご先祖様の年齢の数だけ紐を結んで、灯篭を高く掲げて灯りをつけ目印を作るところもあります。那須塩原市で言えば、鍋掛、東那須野、高林方面の地区で設置することが多いです。那須町は設置することがほとんどありません。大田原市や旧西那須野町地区では、設置するところが多いです。最近は、住宅事情により灯篭のみを玄関先に設置するお家も増えてきています。これは、ご先祖様へ対する目印でもありますが、お盆に焼香に来る方々への目印にもなります。他にも、来客の方へ返礼品の用意も必要となってきます。お葬式のときの香典返しのようなものです。ただ、那須塩原市などでは、返礼品にお茶や缶ビールなどのお飲み物をいっしょに添えるという風習があります。昔は初盆のお家に行った際は、お茶やお酒などを飲みながら、ゆっくりとお話しをして帰っていましたが、昨今は短時間でたくさんのところを回らなければいけなかったり、コロナ禍の影響で長い時間滞在できなかったりで、お茶やお酒をいただく時間がなくなってきているため、お持ち帰りいただくように返礼品に添えるのが一般的になっています。それと、ここ数年のコロナの影響で、密の状態を防ぐ意味で、ご自宅に上がらなくても焼香ができるように玄関先や縁側などに焼香台を設置し、外から焼香できるような対策も行われています。最近では、提灯など初盆以外で使用することが少なくなるため、簡素化して初盆を迎える方もおりますが、そのご先祖様にとって一度しかない初盆です。ぜひ、供養の意味も込めてしっかりと、灯りとお花を準備してお迎えください。